北海道旅打ち日記w

ばんえい競馬@旭川


3泊4日で北海道に行ってきました。今回は旭川in札幌out。いつもとはちょっと違う行程です。というのも旅の目的は旭川ばんえい競馬と旭山動物園だからですw
GWの北海道はまだ桜が咲くか咲かないか、という時季。出かける間際、やっぱりジャンパーより薄手のコートにしました。
8時の飛行機で旭川へ向かいます。機中、「旭川空港の天候は曇り、気温は2.7℃でございます」のアナウンスに軽いどよめきがw 2.7℃。。。


着いた。空港出た。うわ旭川さみー!風が冷たいよ。東京で言うなら早春、3月の気候です。と判っていても寒い。。まだ雪あるし。
旭川駅まで連絡バスで移動し、荷物を預けて、さっそく駅前から無料バスで旭川競馬場へ。バスは空港の方へ戻る道から右へ曲がると、畑や雪捨て場の中を、ゴトゴトと走って行く。だんだん山の方へカーブを登って行き、さすがに「どこへ連れていかれちゃうのかしら」、と思いはじめた時、山肌の向こうになんとなく見覚えのある形の塔が。。競馬場ではおなじみのパトロールタワーである。これで判るというのもなんだかなぁ、と思うけれども、とにかく旭川競馬場は小高い山の上にあった。ここでは、春先はばんえい競馬、夏は平場の開催をしており、1周ダートコースの中に、ばんえい競馬用のコースと調教コースがある。平場の交流重賞競走もある(旭川ブリーダーズゴールドカップ)ところだが、肌寒さの残る時季のばんえい開催、ローカル競馬場の寂れた雰囲気が漂う。入り口ゲート入った広場はがらーんとして、スタンドの中では暖房が入っている。観客席も人はまばらで、どこからでも見放題。遠くにはまだ真っ白の大雪の山々が。


出馬表と出走馬の格付け表を貰って見てみるが、これではさっぱり判らないので競馬新聞を買う。全紙1枚(つまり4ページ)しかないのに500円とはボッタクリじゃないか?大井の新聞は500円で8ページあるよ。中央場所だと400円だし。。それとも競馬新聞というのは何ページあっても定額なのかしら?
馬柱の過去レース情報欄もかなり違う。馬場水分が2.9%とか書いてあって、要は水分が少ないと乾いた力馬場になり、水分が多いとそりが引き易くなってタイムも早い。「81.2-34.2」と書いてあるのは、第2障害までにかかったタイムと、第2障害終了からゴールまでのタイム。これで大体、先行なのか追い込みだったのかがわかるのだ。つか、ばんえいにも、「逃げ」「先行」「追い込み」と脚質があるんだと初めて知った。。そして「障害42.7」とあるのは第2障害を越えるのにかかったタイム。第2障害は最大の難関、旭川のそれは高さ1.6m、幅17mである。騎手は障害の手前で、いったん馬を少し後退させて胴引きをたるませ、次に一気に馬を前進させてその瞬発力を利用してそりを引き上げるのだ。
血統はほとんどが「半血」である。ばんえいに使われている品種はペルシュロンとかブルトン、最近はベルジャンというのも流行りらしいが、そういった品種を掛け合わせているので、「半血」と表示される。純血もいるが、「〜系」と表記されているのもいる。これは「サラ系」と同じような意味合いなのだろうか。


パドックを見る。ばん馬は何度も見たことがあるが、やっぱでかいよねぇ。。首の太さが半端じゃない。 大体、発表馬体重1024Kg(+14Kg)の14Kgは太めなんだろうか?w また周回の間にだんだん気合が入ってきて、ダクを踏んだり、駆け足になっちゃったりするんだから、曳いてる人は大変だよ。。
騎手の集合がかかって、皆馬の背にまたがり、乗馬で本馬場入場する。レースはそりの上から馬を操るわけだから、馬たちはそりを曳くための馬具は着けているけれど鞍はのせてない、ゼッケンだけ。スタートゲートの後ろにそりが用意されており、そこで馬装をして、ゲートへ誘導されていく。

本馬場入場 なんかのんびりしています。

ゲートの後ろでそりに繋ぐ

場内実況が場を盛り上げつつ、ファンファーレが鳴って、スタート!
全馬駆け足で飛び出した!そのまま第1障害まで一気にそりを引っ張り上げて行く。
。。びっくりした。。

もちろん600、700kgのそりを曳いて砂地を最後まで駆け通せるわけは無い。騎手は第一障害を下った平地は流すように、1、2回立ち止まりながら馬の息を整える。そして第2障害前で馬を止め、力をためて集中させるのだ。障害前にずらりと馬が並び、しばし佇み、そして騎手が胴引きを大きく後ろに引っ張る瞬間は緊張感が走る。
気合をつける掛け声とともに、馬が障害をガシガシと登る、登る。一気に頂上まで上がれず、途中で膝を折ってしまう馬、そりの重量に引き戻されてしまう馬もいて、観ていて力が入る。

うおりゃぁー@第2障害

第2障害を下った後もゴールまでは70m程あり、さすがにここから駆け足できる馬はいない。が、先行馬を一気に後ろから追いついてくる馬もいる。ゴールは鼻ではなく、そりの後端が通過した時点となる。馬体はゴールを通過しても、そりがゴールしないまま力尽きて立ち止まってしまうこともあるので気が抜けない。馬の尻尾までは先頭だったのに、土壇場で差されて3着、などということが普通にあるのだ。

ゴールした直後の馬は皆息が上がっていて、白い鼻息がフーフーと舞い上がっている。ゴールのすぐ後ろに、トロッコのレールが切ってあって、馬はその場で馬装を解き、係員に曳かれて厩舎へ帰っていく。そりはトロッコがスタートゲートの後ろまで回送するのである。昔は、その日の競馬に使わない他のばん馬が曳いて帰ったのだそうだ。


バックヤードツアーというのがあったので参加してみる。出走馬が馬装するところや、パドック、スタートゲート、またコースのすぐ横からレースが見られる。もっとも参加しているのは内地から来た人ばかりであったw

馬装

目前でスタート

うりゃー 第2障害を上り切ったところ

ゴール後は精根尽き果てています


午後からは馬券を買ってみる。初めてということもあり、200、300円の勝負だが、これが的中らない。。w つか、パドック見たって全然判んないんだもんw
また、発売総票数が少ないので(1レースあたり、単複馬連枠連馬単全部あわせても1000万円弱)、すごくオッズの変動が激しい。本場馬入場時と締め切り直前では全く人気が違ったりするので参考にならない。これはもう、馬連なんて勝負しないで、そこそこ気になる馬を複勝買い程度にした方がいいんじゃないか、という気がしてきた。結局4レース買って的中したのは馬連1つと複勝が2つ。3000円負けた。。


さて今日は天皇賞の日なのである。東京から買ってきた日刊スポーツを拡げて検討w どうやら京都は雨が降ったらしいので、シルクフェイマスはどうかと思ったが、結局ヒシミラクルリンカーンアイポッパートウショウナイトを絡めて携帯から買った。
結果は「えー、ハンブルクC組なの?!」というなんだかな、な結果に。宿に入ってからTVでレースを見たが、なかなかチグハグな出入りのレース、どの馬も力を出し切ったとは言い難いような内容に見えた。自馬に対して、3200mを自信を持って走りきるだけの信頼が無く、だが一方で有力馬不在で「どの馬にも勝てるチャンスがある」という思いがあると、結果、大事に乗ろうとして中途半端になってしまう。ちょっと残念なレースだった。とはいえ、勝った馬は偉い。アンカツもこの日は大当たりだったんだな。。


今日は1日目だというのに、もう疲れたw でも、ばんえい競馬がこんなに面白いものだとは思わなかった。ばんえい競馬は世界で北海道にしかなく、全ての人馬(調教師も騎手も開催運営に携わる人々もみんな)が、旭川岩見沢、北見、帯広の4場を1年かけて移動しながら行われているのである。レースでは気合を表に出すものの、普段は全くおっとりとして優しいばん馬の所為だろうか、携わっている人々もみな素朴で親切だった。場内を馬車が一周しているのだけれど、これを引いているのはなんと現役の馬。
「競馬使わない日に馬車引いてるの。馬車はそりより軽いし、にんじん喰い放題だから、馬だって「悪くない」って思ってるべw」と厩務員さん。なんかね、手作り感があふれてるんだよなぁ。。
「夏の岩見沢は、旭川と違ってばんえい専用のコースだから、もっと近くでレースが見られますよ。また来て下さい」と言われて、また是非行きたいなぁ、と思っておりますです。


。。明日は旭山動物園